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【延命治療】尊厳死には「リビング・ウイル」が重要なわけ

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老後の諸問題

老後の諸問題


2019年5月12日産経新聞(WEB)に、「東京消防庁が救急隊員による心肺蘇生の不実施(DNAR)を導入する方針を固めた」という記事があったりました。

以下がその大体の内容です。

自宅などで心肺停止状態に陥ったときに、蘇生(そせい)措置を受けずに最期を迎えたい。

高齢者本人が事前にそう希望していたにも関わらず、救急隊が蘇生措置を実施するケースが後を絶たない。

こうした本人や家族の意思を尊重しようと、東京消防庁は、年内にもかかりつけ医らの指示による心肺蘇生の不実施(DNAR)を導入する方針を固めた。出場現場での待機時間の短縮など、救急隊の負担軽減も期待できるという。

心肺停止状態になった末期がん患者らに対し、本人や家族の意思を受けて
蘇生措置や救急搬送を行わない対応だ。

自宅に駆けつけた救急隊は心肺蘇生の開始後、家族から事情を聴いて本人の意思を確認。地域のかかりつけ医らの指示を受けて最終的に決定する。

消防法で定められた消防の救急業務は救命を前提としており、DNARは従来と異なる概念の対応になる。

これまでも主治医らによる指示で、蘇生措置を中止することはあったが、
現行の運用では、救急隊は蘇生措置の中止後も医師に直接引き継ぐまで、現場から撤収できなかった。

(記事中略)

都内の救急隊出場件数は過去10年間で約15万件増え、昨年は80万件を超えた。

特に75歳以上の搬送者が急増しているという。

出場現場での待機時間の短縮は喫緊の課題で、東京消防庁は救急隊の活動指針にDNARを導入する方針を決定した。

東京消防庁はDNARを家族などから自発的に要望が出た場合に限り、救急隊側が主導することはしない。
また、普段から患者の状態を知る、かかりつけ医か、その連携医から指示を受けることを前提にするという。

(中略)

総務省消防庁が昨年実施した実態調査では、
DNARへの対応方針そのものを定めていない消防本部が54・4%に上る。

既に導入している自治体消防では、
救急隊員に助言する立場の救急隊指導医の指示でも中止できるとするところもある。

このような状況の中、東京消防庁はより厳密なルールを定めたといえそうだ。

DNARの導入は高齢者本人や家族にとってもメリットが大きい。

現状では医療機関に搬送されて死亡した場合には、延命措置など 望まない医療行為には、心理的・経済的負担がある。

東京消防庁が導入方針を決めた「心肺蘇生の不実施(DNAR)」は、

最期まで自宅で暮らしたいと希望する高齢者とその家族に、

事前の意思表示の必要性が浸透するかが、制度運用の重要なポイントになる。

ここで、北日本新聞の記事ですが、心肺蘇生の不実施(DNAR)の実際のお話なので引用させていただきます。

「喜んで逝った」信じる 県内、救急隊に蘇生中止要請

■家族 最期まで揺れた心

 昨年9月に県内の消防署救急隊が蘇生処置を中止し、望み通り在宅での最期を迎えた男性患者の家族が北日本新聞の取材に応じ、当時の状況を語った。いったん着手された蘇生処置に抱いた戸惑い、救命を任務とする隊員への思い…。現場は関係者の苦悩が交錯した。あれから約1年。みとった家族は今も信じている。「お父さんは喜んで逝ってくれた」(編集委員・宮田求)

 患者は末期がんの80代男性。昨年5月ごろから容体が悪化し、入退院を繰り返した。入院中は「うちへ帰りたい」と何度も口にした。その思いは家族や医療スタッフに受け入れられ、7月下旬に退院。医療用麻薬でがんの痛みを抑えつつ、在宅生活を送った。

「死ぬまで、うちにおる」。死を覚悟したような言い方を耳にした家族らは「このまま(穏やかに)最期を迎えたいということやな」と受け止め、訪問看護師らと擦り合わせた上で、自宅でみとることを決めた。容体が急変したときは蘇生処置を避けるため、119番せず、訪問看護ステーションに連絡することにしていた。

 最期の時を迎えたのは9月初旬だった。その日の夕方、苦しそうに呼吸する様子に、妻と長女らの心は揺れた。直前に妻と言葉を交わし元気そうに見えていたこともあり、「病院へ連れて行けば、持ち直すのではないか」との思いもあった。訪問看護師に連絡を取りつつも、119番した。

 ところが、救急隊員らが到着した時には心肺停止状態に陥っていた。蘇生処置を始めるため、隊員らが胸をはだけると、かつて心臓病の手術を受けた時の傷跡が長女らの目に映った。その上から心臓マッサージをする様子が痛々しく、「そんなに強く押さえないで」「やめて」と頼んだという。

隊員らが所属する消防署が運用する指針では、本人の意向を示した書面などを確認した上で、かかりつけ医らの指示を得れば、蘇生を中止できるとされているが、このケースでは書面がなかった。

 隊員は「申し訳ありませんが」という意味合いの言葉を口にしながら、蘇生をしなければならないと説明した。「救急車を呼ぶと、こうなるのか…」。家族は自らの行動が招いた結果に戸惑ったという。

 最終的には、隊員が電話で主治医の代理の医師から指示を受け、蘇生を中止した。書面が示されず、医師が現地で患者の状態を確認しないまま中止に至った手続きに課題が残ったものの、家族の願いはかなえられた。「病院に運ばれて亡くなっていたら、後悔していた」。長女は心境を語る。

 隊員らは、しばらくその場に残り、遺体を清める「エンゼルケア」を手伝った。葛藤の末の光景に、長女は「(隊員らと)心が通じ合った」と考えている。

■書面なし 判断難しく  死が間近に迫る終末期の患者であっても「少しでも長く生きてほしい」と願うのは、家族として当然の感情だろう。

 たとえ延命治療などをせずに自宅でみとると決めていても、苦しそうな様子を目の当たりにすると、気持ちは揺らぐ。医療に詳しくない人にとって、その場面が臨終に当たるかどうか判断できないという難しさもある。119番通報するのはやむを得ない面がある。

 問われているのは、119番した後に心肺停止状態となり、本人らの意向に反して、蘇生処置をされるケースへの対応だ。県内では新川地域や一部の病院を除き、意思表示の書面が用意されていないため、患者の意向を適切に確認できず、中止の判断をしにくいのが実情だ。

 一方、生命倫理に詳しい専門家の中には、カルテに蘇生処置をしないとの記載がある場合は、中止できるとの考え方もある。

 国が統一方針策定に二の足を踏む中、現場の実情に応じた対応がどこまで可能か各地域で議論を進めることが必要だ。

引用、以上

●末期がんで回復の見込みがないと診断された場合について、69・2%の国民が「自宅で最期を迎えたい」と回答。

●その一方で、DNARを含む終末期の医療について家族と話し合ったことがある国民は約4割(25年度調査)だった。

●病状悪化などで意思決定ができなくなる場合に備え、事前指示書を作成していたのは8・1%にとどまった。

心肺停止状態後のリスクは

心肺停止から5分以内に心肺蘇生を開始し、AED(自動体外式除細動器)を使用しても、

1カ月後の社会復帰率は4割程度。

5分以上経過すれば脳に障害が残る可能性が高まり、家族の負担が増す結果にもつながる。

かかりつけ医に事前に自分自身の最期についての希望を伝えておくことで、その希望通りの対応が期待できる

*** 以上が記事の内容でした ***

人間、生まれたからには必ず死を迎えます。どのような死に方をするかは様々な形がありますね。

突然に自覚する間もなく命を落とすこともあります。

しかし、事故や病気で倒れた時、とにかく救急搬送という形が取られます。

その時に、もし、心肺停止状態になって、救命措置によって命が助かったとしても、その先に起こるリスクも考えないわけにはいかない。

「自分はそうなった場合にどうありたいのか」考えてみる必要があるのではないでしょうか。

もちろん、身体に障害が残って寝たきりになっても、たゆまぬ努力を重ね、前向きに生きて可能性にチャレンジしている方もいますし、

社会復帰をし様々に活躍し、多くの人に逆に勇気や希望を与えてくれる人も多くいます。心から尊敬し敬意をはらいます。

ここで取り上げるのは、そういうことが叶わない重度な状態になった場合、終末医療を受ける場合について考えます。

リビング・ウイル











脳血管障害や認知症または事故などで、自分の判断力や意識が低下し意思表示ができなくなる場面を想定し、

そうなったときの終末期の治療方針にたいして、自分の意思を書き記しるすことをリビング・ウィル(生前の意思)といいます。

例えば、尊厳死を望む場合は「尊厳死の権利を主張して、延命治療の打ち切りを希望する」などと意思表示すること。またそれを記録した「遺言書」などです。

先に述べた、救急隊員による心肺蘇生の不実施(DNAR)を導入の実施に当たっても
こうしたリビング・ウィル(生前の意思)による蘇生中止の意思確認はとても重要になります。

欧米では、倒れた時に本人や親族の同意無しに勝手に延命措置をされていたら訴えられる場合もあるみたいです。

日本であれば、もし延命措置をしなければ訴訟問題になるでしょうね。

欧米の方は不自然に機機械に繋がれて生きながらえるよりは自然体のままで死ぬ事が良しとされています。

そのため日本のように寝たきり老人は多くないということです。

◆リビング・ウィルの例文

話は戻りますが
リビング・ウィルの例文をご紹介しましょう。

引用元 http://square.umin.ac.jp/~liv-will/new1009.html

終末期の医療・ケアについての意思表明書(リビング・ウィル)の例文

私が、高齢となり意識を失うような状態におちいったり、あるいは、たとえ呼びかけには応じても 意識は朦朧としている状態になったり、あるいは、意識はあっても自分の意思を伝えることができない状態となり、自分で身の回りのことができなくなり、自分で飲むことも食べることもできなくなったときには、以下のようにしてください。

私が自分の力では水も飲めず、食べ物も食べられなくなったら、無理に飲ませたり、食べさせたり、点滴や栄養補給をしないでください。 ましてや、鼻管を入れたり、胃瘻を作ったりは、絶対しないでください。 私が自分の力で呼吸ができなくなっても、人工呼吸器をつけないでください。
万一、人工呼吸器がつけられている場合でも、一旦、電源を切っていただき、私の自発呼吸が戻らなかったら、人工呼吸器を取り外してください。
少々意識があっても、場所や日時をはっきり言うことができなければ、同じように扱ってください。
そうなったら、昇圧薬も輸血も人工透析も血漿交換などもやめてください。

私の苦しくみえる状態を緩和していただける治療をしてくださるなら、喜んでお受けします。 ただし、昇圧薬や脳圧低下薬などの延命のための治療はやめてください。

私の命を長らえるために努力をしてくださっている、お医者さん、看護師さんや医療・介護スタッフの方達には、心から感謝しています。
努力してくださっている方たちには、たいへん申し訳ありませんが、どうか、私の意思を尊重してください。

私はこの終末期の医療・ケアについての私の意思表明書を、意識も清明で、書いている内容を十分理解している状態で書いています。
どうか、私の意思を尊重してください。

年  月  日
住所
本人署名(自筆)         (  歳)〔印〕
家族署名(自筆)         (  歳)〔印〕

以上の意思表明書に変わりはないことを認めます。
年  月  日 本人署名(自筆)        (  歳)〔印〕
年  月  日 本人署名(自筆)        (  歳)〔印〕
年  月  日 本人署名(自筆)          (  歳)〔印〕
年  月  日   本人署名(自筆)          (  歳)〔印〕
年  月  日 本人署名(自筆)        (  歳)〔印〕

 

専門家(医師や看護師など)から、いろいろな情報をえながらノートなどに整理して書き、その時々に感じたこと、考えたこと、その時の身体の状態なども、書き足していくといいでしょう。

時々、読み返すことで、自分の考えの変化なども感じられ、自分自身を見つめる機会になりますね。

大事なのは家族や自分のよき理解者などとよく話し合っておくことです。

そういう理解者の協力がなくては、願いを叶得られないからです。

万一の時、家族は急な状態の変化に動揺し、短時間で決断を迫られます。

少しでも長く生きていてほしい気持ちとの間で葛藤します。

いざとなると状況を受け入れがたく混乱することでしょう。

だからこそ、意思をきちんと伝えて話し合っておくことが大事ですね。

本人を意思を尊重して決断を下したなら、残される家族や大切な人たちは自分を責めることから解放されます。

「尊厳死」と「安楽死」の違い



意思を尊重する死の迎え方として「尊厳死」や「安楽死」という形があります。

では「尊厳死」と「安楽死」はどう違うのでしょうか。

具体的にいうと、回復の見込みがない病を抱えていたり、傷を負っていたりする場合、本人の生前の意思によって、人工呼吸器や点滴などの生命維持装置をはずし、延命処置を中止して自然な形で死を迎えさせることです。

たとえば、植物状態などで、延命措置によって生命を維持し続けることは人間としての尊厳を保っていないと本人が考えた場合自然な死を選ぶ権利があるという考え方に基づいています。

尊厳死はQOL(人生の質)を重視する考えかたですが 尊厳という意味が人間の主観的な概念なので、厳密な定義があいまいであるという問題点もあり日本では認められていないのです

スイスやオランダやベルギーなどでは尊厳死が認められていますが多くの国ではまだ認められていません。

安楽死は人間を苦痛から解放してあげるために施されます。

回復の見込みがなく、苦痛が激しい末期の病気を持っている人、傷を負った人などに対して、

本人の意思に基づき薬物の投与などによって人為的に死を迎えさせることです。

尊厳死と比べて「不治で末期」「本人の意思による」という共通点はありますが「命を積極的に断つ行為」の有る無しで決定的に違います。

これも日本では認められていません。

わが国では、いわゆる安楽死は犯罪(違法行為)だからです。

それではいくらリビング・ウィルで意思表明をしたとしても法的に認められないのであればどうにもならないのではないでしょうか?

【一般財団法人・日本尊厳死協会】というのをご存知ですか。

協会は1976年1月20日、安らかな最期を希む人達のために人権団体として設立され、1983年、現在の日本尊厳死協会と会名改め、2010年4月、「法人格」を取得し、一般社団法人となった後、2015年4月、一般財団法人日本尊厳死協会となったところです。

協会は主に、次の事業を行っています。

1.リビング・ウイルの普及啓発事業

2.リビング・ウイルの登録管理事業

3.リビング・ウイルの調査研究及び提言事業

4.その他この法人の目的達成に必要な諸事業

ここでは

「尊厳死は法的に認められていますか?」という質問に、このように答えています。

リビング・ウイル死に関する法律はまだありません。しかし、終末期での延命措置中止を選択する自己決定権は、憲法が保障する基本的人権の一つである幸福追求権(憲法13条)に含まれるとの考えが一般的です。憲法を頂点に尊厳死を認める幾つかの司法判断がでており、協会は法的に認められていると考えます。

地裁レベルの司法判断ですが、安楽死をめぐる東海大付属病院事件の横浜地方裁判所判決(1995年3月28日)が、「治療の中止」は「無駄な延命治療を打ち切って自然な死を望む尊厳死の問題である」と言っています。そのうえで「現在の医学の知識と技術をもってしても、治癒不可能な病気に患者が罹り、回復の見込みがなく死を避けられない状態に至ってはじめて、治療行為の中止が許されると考えられる」と見解を示しました。

やはり川崎協同病院事件の横浜地裁判決(2005年3月25日)でも、患者の終末期における自己決定尊重と、医学的判断に基づく治療義務の限界を根拠として「治療中止は認められる」との見解が出ています。

終活の一環として、「人生の締めくくりをどのような形で終えるか」をじっくりと考えてみませんか。

延命治療を望まないならば、意思を家族に伝え理解してもらうことが一番大切ですが、大きな病気にかかったときは早めに主治医に「治療についての希望」として、リビング・ウイルを伝えましょう。

カルテにそれらが記入されていると、万一主治医がいない緊急の場合でもカルテで情報は伝わりますし、

冒頭で述べた、救急隊によるDNARにおいても、望まない心配蘇生を中止するためには、かかりつけ医か、その連携医から指示を受けることを前提になっているからです。

一般財団法人・日本安楽死協会は満15歳以上で意思表明能力のある方なら、どなたでも会員になることができるそうです。

正会員は会費を毎年納めますが、終身会員は一括して払い込みます。

正会員2,000円/一人 
終身会員70,000円/一人 



料金については以後、変更があるかもしれません。

ほかのブログにも書いたのですが、私自身、夫や両親の介護をし看取った経験があるのでわかるのですが、突然に病に倒れたときは、当たり前ですが私も家族も何とか命はとりとめてほしいと必死になりました。

事前に自分はどうしたいかというはっきりした意思を表明していたかどうかによって、人生の終わり方の選択が大きく分かれてしまいます。

それもきちんとした形で残すことが大事で、単に「こう言っていた」というだけでは何の証明にもなりません。

家族にとっても悔いを残すか、納得を残すかになります。

私は介護することは決して苦痛ではなかったし、むしろお世話することに生きがいというか一緒に過ごせることがうれしかった。

でも後になって思うことは、本人は身動きできずに生きながらえてることが、どれほどに辛いことであったかと思うと、「少しでも生きていてほしい」と願うことが、私のエゴだったのではないという重い後悔が残っています。

次、私の死によって残された家族が後悔したり苦しんだりしなくてすむように、きちんと意思表示をしておきたいと考えています。

↓お役立ち情報、こちらもぜひご覧ください。

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